伝統空手の組手の間合いについての記事です。極真、キックボクシングから伝統空手にシフトしてきた方。或いは伝統空手ベースの選手と戦った時に「ものすごくやりづらかった」「踏み込みが疾すぎる」こんな経験はありませんか?
今まで他の記事で散々、伝統空手の独特の間合いについて話してきました。今回はその間合いについて具体的に書いていきたいと思います!
■目次■好きなところからどうぞ!!
伝統空手のルールが「独特の間合い」を作らせた!?
伝統空手の組手は、極端に言えば「グーで先に相手に触った」方がポイント制のルールなのです!もちろん、蹴りも。極真空手のように接近して「突き、蹴り」をガンガン当てる「間合い」をキープする必要はまったくないのです。
フルコンよりも、重心を低く構え、フットワークなどで素早く出入りして有効打を当ててポイントを競う組手形式になります。
構えについてはこちらの記事
伝統空手の組手。構えは騎馬立ちのバランス型で行こう!
ルール上「一発、良い有効打が入れば、強制的に試合が止められる」という特質を利用してとにかく「先に当てること」を意識した動きが必要になってきます。
必然的に殴り合う前提の「近距離」ではなく、遠くで一気に飛び込んで有効打を当てる「遠い間合い」を当てることに身体の動きを調整していくことが必要になります。
「伝統空手特集(八記事)」のカテゴリーはこちら!
伝統空手の間合いに慣れるには発想が重要!?
極端な話、相手が刃物(ナイフ)を持っているイメージです。そんな相手にワザワザ接近して強打を与えて倒してやろうって思わないですよね?
なので、遠くから相手にスキができ、体勢が崩れた瞬間に、一気に間合いを詰めて一撃で倒したいですよね。そして、初撃で倒れないにしても、ひるんでる間に連撃で攻撃を与えますよね。コンビネーションで。
「この初撃が綺麗に決まれば、審判に強制で止められ、仕切り直しとなる。」というイメージで組手してみてください。
ガードしたり、避けたりするくらいなら、カウンターに集中することの方が良いと言う選手もけっこういます。実際、速すぎて攻撃を捌けないというのも上級者になってくるとあります。ナイフの例を考えてみても、いつまでも避けきれるものではないですよね。
だったら「肉を切らせて、骨を絶つ」的なイメージは必要です。強く当てると反則なんですけどね^^;そこは練習でなんとかなります。自分はどちらのタイプかは考えて組手をしましょう。
【引用:https://bit.ly/2EKK6Xb】
「先の先」はなかなか、難しいですが、相手の体勢が崩れた瞬間に思いもよらない間合いから、反撃(後の先)は練習すればできるようになってきます。
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近距離からの攻撃技は高得点技ばかりだが・・・
「遠い間合い」から突きで飛び込んだものの審判の技量によってはポイントを貰えない(不発になる)こともあります。近距離ゆえに突きがだせない体勢になります。
近距離の攻撃として有効な技は
「投げ→突き」
「ワザと引いて裏回し蹴り」
「サソリ蹴りなどの奇襲技」
「裏拳」もあります。
簡単ではないですが、油断した相手からトリッキーな技で有効打撃や、上段蹴りなどで3ポイントを取るチャンスでもあります。
【投げ技】香川選手。
【引用:https://bit.ly/2V6pKg4】
投げは、帯より低い位置で投げ、安全に投げたあと倒したと同時くらいに頭に突きを打ち3ポイントを狙う技です。この試合では決まりませんでしたが、最初から投げを狙うのではなく、「投げるのが自然な形」ではないといけないという抽象的なルールがあります。
投げ技は直接、ポイントにはなりませんが、使い方によっては「攻撃回避のけん制」「大技の3ポイント」の両方を狙えます。
【足掛け】一般の方。
【引用:https://bit.ly/2EN8APx】
もちろん、近距離状態から足掛けで倒してから突きも有効でしょう。足掛けは倒さないまでも、「相手の体勢を崩し、追撃する」「使えれば相手の動きが悪くなります」。こちらも直接ポイントは貰えるわけではないです。
がしかし「倒してからの突き(3ポイント)」「相手の脳を疲れさせる=動きを鈍らせる」「崩しが決まれば、相手のカウンターを回避」と意外と有効な要素が盛り込まれている技でも有ります。
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伝統空手の組手の技で前蹴り、足掛け、投げ技は使えるのか!?
【裏回し蹴り】一般の方。
【引用:https://bit.ly/2Cx5mgI】
近距離から「まさかの蹴り!?」という心理を狙う大技。3ポイント。もちろん、近距離でなくとも、奇襲技・逆転技になります。があえて近距離で狙う選手が多いです。上級クラスにしか、なかなか試合では見られないです。
とくに全国大会クラスでは。これ単体で決めるというより、意外なコンビネーションに混ぜると決まる場合があります。研究しましょう!
【サソリ蹴り】松久選手。
【引用:https://bit.ly/2LzPTPH】
もともとこの技は認められていませんでした。がしかし、松久選手が多用し、認められるようになった技。伝統空手のルールならではの技。これも近距離で「まさか蹴りを!!」的な相手の心理をついた大技。身体の柔軟性が要求されますが。
一般の方でもけっこうサソリ蹴りは浸透してきて、使われるようになりました。そう考えると、松久選手の伝統空手の貢献は凄いですね。先に話した「裏拳」もそうですが、認められるまでひたすらやることが重要です。
裏拳のあと、保険で「裏拳→突き」といった技に繋げるようにしておいてもいいでしょう。伝統空手のルールの「技の広がり」の発展という意味では大いに挑戦したい新しい技です!!
「伝統空手の組手の間合い」のまとめ☆
伝統空手の試合は「遠い間合い」からの突きが基本中の基本です。それができるようになったら、次は大技という流れになります。まずは「突き」の練習からです!それではこの記事をまとめていきますね。
・相手がナイフを持っているイメージで攻撃の練習をする!
・近距離でも意外と技がある!
・「突きを制するものは、伝統空手を制す!」
これで伝統空手の特集は終わりになってしまいます。伝統空手を始めたばかりの人、伝統空手ベースの選手と試合をして負けた選手に向けて書いてみました。少しでも、参考になれば幸いですし、オリンピックの競技として盛り上げていきましょう^^
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