こんにちわ。元実戦空手(極真)の経験者のマルです。
伝統空手の組手のフェイントについての記事です。伝統でも実戦空手でも、もちろんフェイントは使います。ではどのように違うのか?応用できないのか?習いたてで「攻撃を避けられてしまう」「カウンターをあわされてしまう」等の悩みは尽きないものです。
今回は組手の初心者に向けてのフェイントにからめて実戦空手との違いについて書いていきますね。
■目次■好きなところからどうぞ!!
伝統空手の組手で使える基本フェイント3つとは!?
これは組手が上手い人からすると、伝統でも実戦空手でも「そんなこと当たり前では」と思うかもしれません。しかし、わからない方はその原理すら知らないことがあるので、ここで頭に入れておきましょう。
実は、伝統でも実戦でも3つのフェイントは絶対に必要になってきます。
1・相手の攻撃を誘う。
相手の間合いに「ワザと一瞬だけ入って出る」ことにより、攻撃をさせる。そして、相手が攻撃して「崩れる・スキがでる」まで繰り返す。これがいわゆる「後の先(カウンター)」と呼ばれるものです。
「相手が突きを打つ、蹴りを打つ。この攻撃が自分に当たるか当たらないかの距離にワザと入る」ということです。
・「あえて相手の射程距離に少し入り、攻撃させる。」
↓↓↓
・「距離がわかっているので、避けるのも簡単。」
↓↓↓
・「相手にスキができる。攻撃する。」
こんなイメージです。下の動画はスローモーションが入っているのでわかりやすいです。これは相手の距離に出入りして、攻撃するのとは違うのですが。「ジッと待ってカウンターを狙う」スタイルと言った方が正しいかもしれません。
「相手に攻撃をさせる。攻撃を待って反撃でとっている」のがわかる動画です。
2・ワザと自分の攻撃を外す。
もちろん、このフェイントも初心者用です。上段者の方は「当たり前」に使える技術。逆に言えば、これを身に着けないと上段者には勝てないということです。
「捨てパンチ」という言葉の通り。一発目の刻み突きで狙って入るフリをする。しかし、伝統空手においては、本当に軽く当ててしまうイメージですが。実は、意識は二発目の追い突きにある。イメージ的に2つの突きで狙うことになる。
「バン!バン!」のニ拍子ではなく
(※二拍子だとカウンターをもらってしまう。)
「ババン!」と一拍子に近いイメージで打つのが肝です!カウンターの対処というものは普通はなく、カウンターより早くワンツーの2番目を決める事が大事です。
一発目の刻み突きが「誘いのフェイント」にも「惑わせるフェイント」にもなっている。ワンツーのコンビネーションは一拍子で!普段何気なく、漠然と「ワン!ツー!」を練習するのではなく、「ババン!」をイメージして鍛錬しましょう!
もちろん、それに組み合わせて「スリー、フォー」まで工夫しだいでは無限にコンビネーションはある。強い人の動画を観ながら、バリエーションを増やしていこう!
ものすごくわかりやすい伝統派の「ワンー、ツー」の動画
できるようになってきたら、「突きと蹴り」を織り交ぜる。「蹴りだけ」でやってみる。などもあります。
1.00~から「蹴りだけのフェイント」があります。もちろん、~1.00までも「突きのカウンター」の参考にはなるのですが、速すぎてわからないと思います。
「伝統空手特集(八記事)」のカテゴリーはこちら!
3・「基本技」で「多くのフェイント」を用意しておく!
話はそれますが、剣道では「面、胴、突き、小手」の四つの技しかありませんが、選手は多彩な攻めをします。柔道でも、有名選手でさえ、試合で使う技は数えるほどしかありません。
このことから、武道ではいろんな技を覚えるより、「基本の技のコンビネーション」を沢山用意した方が勝ちに繋がり易いことがわかります。組手で勝てない方は「技が少ない」のではなく、「攻めがワンパターン」な可能性が高いです。
技を増やしてしまうと、無限にコンビネーションができてしまい「迷い」が生じます。
派手な技(裏回し蹴り、サソリ蹴り、変則技)だけにこだわらずに、基本の技の「精度、速さ、バリエーション」を高めることが重要です。まずは「刻み、追い突き、回し蹴り」のみでフェイントをいくつか作り上げましょう。
おまけ【初心者には使える!?】
これは本当に初心者用です。こんなの知っているという方は読み飛ばしてもOKです。物凄く簡単です。
最初の踏み込みをワザと強く「バン!」とやることによって、相手は「身構えて、動きが一瞬止まる」このスキを攻撃する。
この時も、「バン!(踏み込み)」 + 「攻撃」の2拍子ではなく、「ババン!」の一拍子のイメージです。最初は突きだけで練習しましょう。
伝統空手の1拍子は実戦でも役に立っている!?
伝統空手をベースに戦っている格闘家・堀口恭二選手。2.09~のスローモーションをみてください。
【ポイント解説】伝統空手の試合にも生かせます。「ワン、ツー」 → 「スリー」であえて左を打たずに、1拍子置いて右でフィニッシュしています。イメージ的には「1 → 2 → 3(打たない)→ 4」です。
1・「ワン」の解説
一発め左手での刻み突き(ジャブ)は効かせるためではないですよね。打ち終わった後、さらに拳で「ググッ」相手を押して崩していますね。いわゆる「捨てパンチ」だけど、当たっているので効かなくても相手ビックリして止まってしまいます。
2・「ツー」の解説
そして、実は右のストレートの2発目も捨てパンチ。これは1発目で警戒した相手が腕でガードしてたので、あえて捨てパンチに切り替えた風ですね。相手の動きを良く見ているということです。
3・「スリー」の解説
普通に効率でいったら「左・右」ときたら、次は「左」ですよね。がしかし、ガードが下がっていないのを確認してから、左は出さずに、1拍子とり、その間にガードのスキを確認して、右のフックをモロにヒットさせています。
ここに伝統空手の「遠い間合い」「捨てパンチで押して崩す」「最後にスキを攻撃する」のエッセンスが詰まっている試合でもあります。スローモーションで何度も観て「間合い」「身体の使い方」「考え方」を自分の組み手に取り入れましょう。
特に、【2】の押して崩すのは、伝統空手の上段者はさりげなくやっています。早くて見えませんが。コンビネーションのような三発を1人でたくさん練習するのはサンドバックがおすすめです。
伝統空手の突きのスピードを上げる意外な方法!!
「伝統空手の組手のフェイント上達」のまとめ☆
それではこの記事を整理したいと思います。
1.相手の攻撃をワザと誘って崩す。
2.捨てパンチを上手く使って、相手を硬直させる。
3.技を多くするのではなく、フェイントのストックを増やす。
いかがでしたか?漫然と稽古、練習をするのは時間がもったいないです。しっかり「イメージ」して、シャドウ・ミット打ちなどをやりましょう。
「伝統空手特集(八記事)」のカテゴリーはこちら!
「初撃を制する者は試合を制する」伝統空手。ミットもよいですが、1人で「突き」の練習するにパンチグボールは調度良いです。