こんにちわ、元実践空手経験者のマルです。伝統空手の代名詞ともいえる「突き」。やはり、矢を彷彿させるようなあの「突きのスピード」はどんなジャンルの格闘家でもビックリするらしいです。
人間とは不思議なもので成長の遅い早いはありますが、鍛錬次第では殆どの方はあのような「スピードがある動き」ができるものです。今回はあの突きのスピードを上げるいろんな方法に迫ってみたいと思います☆
■目次■好きなところからどうぞ!!
空手の突きの速度には二種類ある!?
簡単に言えば、下記の二種類を磨きあげる必要があります。
1.相対的なスピード
2.絶対的なスピード
1.相対的なスピードとは!?【相手から見て読めない動き】
これは「相手から見た速度」。起こり(モーション)が小さくなればなるほど、直線的なほど相手にとっては「速い」ということになります。
極端な例です。「相手がハンマーを思いっきり振り被ってきた」場合と、「ナイフをスッと前にだす」のとではどちらが避けやすいですか?
ハンマーの方が振りかぶるので、攻撃のモーションが多く、避けやすいですよね。つまり、攻撃する前の無駄な動きを少しずつ削っていって、最終的には「ノーモーション、最短距離で真っ直ぐに突く」。これが相対的なスピードの完成形です。これを「意識して」練習する。
とくに「脇を空けてないか」「頭を上下させない」「曲線的になっていないか」などを意識して、鏡を観ながらやるのも有効な練習です。もちろん、基本稽古、型稽古の中にもヒントがたくさんあります。意識して稽古してみましょう。自分なりの型ができてきたら、いよいよ絶対的なスピードの練習にシフトします。
スピードドラゴンの異名を持つ荒賀選手の動画を観てみて下さい。相対的なスピードの意味がわかります。
実は「突きの速さ自体」は全日本トップレベルの選手もそこそこ強い高校生もさほど変わらないんです。私が高校生の伝統派の試合を観ていたときの話です。「プロの方が圧倒的に速いなー」なんて全然思わない!それくらい高校生の突きのスピードも早いんです。
では、コンマレベルにスピードを磨き上げるには?どうすれば良いのでしょうか。実は、荒賀選手などの速さの秘密は、まず「第一に圧倒的な回数つくこと」らしいです。ちゃんとした突き方を体に染み込ませ何度も繰り返せば速くなります。
2.絶対的なスピードとは!?【突くための必要な筋肉の鍛錬】
効果的かつ効率的に、「無駄・ムラ無く」突きに用いる筋肉を最大限に鍛えるのに重要なことはなんでしょうか。練習は意外とシンプルで簡単です。筋肉トレーニングだとしたら「腕の筋肉?」「下半身の筋肉?」「背筋?」どれでしょうか?
答えは全部違います。
↓↓↓
↓↓↓
↓↓↓
↓↓↓
↓↓↓
重要なことは「必要の無い筋肉は肥大化させない事」がポイントです!
ウエイトトレーニングを少しかじった程度の人(専属トレーナーの無い人)は必ず肥大化させてしまいます。そうなれば、まず肥大化した筋肉を落とす作業が必要になり、余計な時間と労力が失います。実は【突き】という技の身体的操作上、下手なウエイトトレーニングは必要ありません。
つまり、【1】で相対的なスピードの土台を作り上げたら、【2】はそのフォームを崩さず、ミットに向かって毎日、何百~何千本と打つことこそが「絶対的なスピードのある突き」に必要な筋肉全部が自然に鍛えられるのです。
毎日、数百やることによって、スピードのある「突き」に必要な筋力(腕、下半身)は育っていきます。この時に漫然と回数だけをやるのではなく「無駄な動きを削り、軌道修正をしていく」イメージで練習することを忘れてはなりません。
「伝統空手特集(八記事)」のカテゴリーはこちら!
突きのスピードを上げるなら、握らないこと!
もちろん、「型稽古」は師範の言うとおりに「しっかり握って打つ!」的なものは必要です。しかし、競技化(スポーツ化)された空手においては「型稽古とは別の身体の使い方が必要」になってきます。
つまり、伝統派空手の試合に出る方は「二種目(型・試合)の競技をやっているイメージ」と思っておけば混乱しないでしょう。
「速く、速くと力む」のは、結局速くならないです。当たる瞬間まで握らない状態で、リラックスしてください。厳密に言うと、「軽く、フワッ」と握っています。
試合中は緊張したりと難しいですが、試合で強くなるには、場数を踏んで「何事にも動じない心」を作りあげていくのも、結局は勝利に結びつき、強さに繋がっていきます。
「握らない」コツと考え方!
人によってわかりやすいイメージは多種多少。なので箇条書きで書いていきます。自分のイメージにあったものを練習するときに思い浮かべながら鍛錬してください。
・寸止めだから、威力を2の次にする。「突きにあえて、気迫をのせない」淡々と最短距離で突くイメージ。
・「相手の顔の前に突きをワープさせて」少し触って引きを強くするイメージ。
・相手の顔(上段突き)にゴミがついていて、それを悟られないようにスッと取って、隠すイメージ
・相手がパンチでくるのではなく、刃物を持っているイメージで打つ。必然と遠い距離からの速い突きになります。
ちなみに、私ことで申し訳ありません。私の子供に「ダミーのナイフ(紙を棒状にして)に刺さらないように打ってみて」と打たせたら、一気に伝統っぽい上段突きになりました!後は練習あるのみですが。
あとは具体的な練習方法の1つとしては、「スーパーボール・ピンポン玉」を前にまずは構えます。
↓↓↓
落として、バウンドしてきた時にボールを取って早く引く。これで「握らない状態」と「握ってる状態」そして、最後の「残心」まで上手く練習できます。これでイメージがつかめたら、実際に物を突いて練習してください。
伝統空手のルール上、「少し当てて引く」という特徴から、私は本格的なサンドバックはいらないと思っています。上段、中段の高ささえ調整できて、当てるものがあれば「ミット打ち」になるのです。
「初撃を制する者は試合を制する」伝統空手。ミットもよいですが、1人で「突き」の練習するにパンチグボールは調度良いです。
「伝統空手の突きのスピード」まとめ☆
それではこの記事をまとめていきます!
・「相対的スピード」は綺麗なフォームにある。
・「絶対的スピード」に必要な筋肉は日々の練習で勝手についてくる。
・漫然とやらずに、常に「イメージしてシャドウ・ミット打ち練習」をする。
いかがでしたか?スピードを上げるためのコツ・ヒントを紹介してきました。今の自分に「刺さる」ヒントがあったことを祈ります。あとは日々の練習にあります。常に「意識」「イメージ」しながらを忘れないで鍛錬してください。
「伝統空手特集(八記事)」のカテゴリーはこちら!